Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かきのたね
柿の種
寺田 寅彦
Lesen Sie 柿の種 (かきのたね) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 70.202 Zeichen · 139 Bildschirme
「開き戸のパタンパタン煽るのを止める、こんなふうな金具はありませんか。」
おぼつかない手まねをしながら聞いた。
主婦はにやにや笑いながら、「ヘイ、ございます。……煽り留めとでも申しましょうか。」
出して来たボール箱には、なるほど、アオリドメと片仮名でちゃんと書いてあった。
うまい名をつけたものだと感心した。
物の名というものはやはりありがたいものである。
おつりにもらった、穴のある白銅貨の二つが、どういうわけだか、穴に糸を通して結び合わせてあった。
三越で買い物をした時に、この結び合わせた白銅を出したら、相手の小店員がにやにや笑いながら受け取った。
この二つの白銅の結び合わせにも何か適当な名前がつけられそうなものだと思ったが、やはりなかなかうまい名前は見つからない。(大正十二年八月、渋柿)
*
道ばたの崖の青芒の中に一本の楢の木が立っている。
その幹に虫がたくさん群がっている。
紫色の紋のある美しい蝶が五、六羽、蜂が二種類、金亀子のような甲虫が一種、そのほかに、大きな山蟻や羽蟻もいる。
よく見ると、木の幹には、いくつとなく、小指の頭ぐらいの穴があいて、その穴の周囲の樹皮がまくれ上がりふくれ上がって、ちょうど、人間の手足にできた瘍のような恰好になっている。