Japanische Klassiker mit Furigana
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さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
Lesen Sie 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 169.810 Zeichen · 345 Bildschirme
それを網でせきとめてあるので、入洲は百坪ばかりの池になっている。その中にいる魚を、子供はすくい網で獲ろうとしているのだ。
「これは何という魚かね?」
砂上のバケツをのぞこうとすると、子供はあわててじゃぶじゃぶとかけ寄り、バケツの位置を移そうとした。十二、三の男の子で、白い褌をつけている。
「小父さんは気違いじゃないんだ。安心しなさい」
少年の眼の警戒の色を見ながら、五郎はやさしい声を出した。
「芋焼酎を飲んだら、踊りたくなったんだ」
少年は思い直したように、バケツから手を離した。五郎と並んで腰をおろした。
「これ、ボラだろう」
五郎は言った。少年は首を振った。しかし五郎にはボラとしか思えなかった。
「ボラだよ」
子供はまた首を振った。濡れた砂の上に指で、ズクラ、と書いた。口がきけないのかな、と五郎は思った。
「ズクラ、というのか。おいしいかね?」
また少年は砂に、ウマイ、と書いた。五郎は突然空腹を感じた。彼は腰にゆわえた弁当の風呂敷を解いた。大きな握り飯が二つ、豚の煮付け、それに縄のようなタクアン、切らずにそのまま入っている。
「君もお握りを食わないか」
「食う」