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Japanische Klassiker mit Furigana

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さくらじま

桜島・日の果て・幻化

梅崎 春生

Lesen Sie 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 169.810 Zeichen · 345 Bildschirme

Aozora Bunko

その穴を埋めようと私達はいろんな冗談を持ち出して努力したが、どうしても食い違ってしまう。怪しからんことには、とうとう私達は今死んだ娘の事について猥雑な会話を交していた。私は疲れた。しかし、此の儘別れて家に帰るには、妙に離れ難い気持になっていた。

七時頃になってそこを出た。本郷の通りには夜店が出ていて、男や女が明るい顔してぞろぞろと通った。

天願氏がブリキのように薄い肩で人波を切りながら蹌踉と歩く後から、私達がつづいた。古本屋のおやじの肩に、黄色の銀杏の葉が乗っている。

風は少し衰えたようだけれど、猶行人の袖を吹いたり店の看板を鳴らした。その度に、銀杏並木は葉を何枚かずつ振り落し、それは夜店の品物の上にはらはらと流れた。

台町に入りこむ露地のところで私は立ち止った。

「僕は帰ります」

「そりゃ駄目だよ」と天願氏があわてて私の腕を掴んだ。「僕の所に今晩は居てくれよ。どの途ざわざわして何も出来やしないだろうから」

「しかし――忌中のところにあまり関係ない人が出入りすると悪いから――」

「そんな事はないさ」と、私の腕を引っぱって露地につれこんだ。「あれは下宿屋なんだよ。