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Japanische Klassiker mit Furigana

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さくらじま

桜島・日の果て・幻化

梅崎 春生

Lesen Sie 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 169.810 Zeichen · 345 Bildschirme

Aozora Bunko

だから、玉音の放送ということがどういう意味を持つのか、はっきり判らなかった。が、今までにないという意味から、重大なことらしいという事は想像出来た。不安が、私をいらだたせた。

午前中の当直であったから、私は聞きに行けない。当直が終り、すぐ居住区に戻って来た。放送は、山の下の広場であった。そこに皆が集って聞いている筈であった。居住区で飯を食べ終っても、放送を聞きに行った兵隊たちは帰って来なかった。

「ずいぶん長い放送だな」

私は莨に火をつけ、壕の入口まで出て行った。見下す湾には小波が立ち、つくつく法師があちらでもこちらでも鳴いていた。日ざしは暑かったが、どことなく秋に向う気配があった。目をむけると、三々五々、兵たちが居住区に戻って来る。放送が終ったのらしかった。

「何の放送だった」

壕に入ろうとする若い兵隊をつかまえて、私は聞いた。

「ラジオが悪くて、聞えませんでした」

「雑音が入って、全然聞き取れないのです」

も一人の兵隊が口をそえた。

「それにしても長かったな」

「放送のあとで、隊長の話があったのです」

「どういう話なんだ」

「――皆、あまり働かないで、怠けたり、ずる寝をしたがる傾きがあるが、戦争に勝てば、いくらでも休めるじゃないか、奉公するのも、今をのぞいて何時奉公するんだ、と隊長は言われました」