Japanische Klassiker mit Furigana
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ばいかのきひん
梅花の気品
豊島 与志雄
Lesen Sie 梅花の気品 (ばいかのきひん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.397 Zeichen · 5 Bildschirme
必ずしも美景を要しないが、ただ自然の風趣の害せられていない、のびやかな環境の中に、一本の老木が、自然のままの枝振に、ぽつりぽつりと花をつけ、仄かな香を漂わしてるのを、少し冷かな二月の夜明け、薄霧の晴れやらぬ頃、爽かな空気を吸い、小さな霜柱を踏みしだいて、ふと気付いたまま、何気なく足を止めて、しみじみと見入り嗅ぎ入る心持、それこそ真に梅花を観るの境地である。その一本の老樹のたたずまいと、その清らかな花の姿と、その脈々たる香と、その清冷な早朝の空気とは、ただ一つ梅花の気品となって、人の心にしみ通るであろう。それをも卑俗と云うものは、卑俗のみを知って高潔を知らぬ徒輩である。