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Japanische Klassiker mit Furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 148.519 Zeichen · 296 Bildschirme

Aozora Bunko

断章(三)

「夫婦でか」

――そう申しておりました。

「二人は仲がいい筈だ」

――御内室が船岡どのに向かって、あなたは冷酷で無情なかただ、と云われていたそうでございます。

「それは初めて聞く評だな」

――はあ。

「これまで原田は、情の篤い、心の温かい人間だといわれて来た、彼だけは敵がなく、みんなに好意をもたれて来たそうではないか」

――さように存じます。

「しかもその妻は、冷酷無情だと申したのか」

――あなたとは十五年以上もいっしょに暮して来たが、と云われたということです。

「まさか嫉妬ではあるまい」

――湯島の家ではくみという女といっしょでございます。

「そんなことはない、あれは側女などに嫉妬するような、ふたしなみな女ではない、おれは娘時代のあれを知っているが、おうようで暢びりした、とうてい嫉妬などをするような性質ではなかった」

――はあ。

「たぶん、冷酷無情というのにはなにか意味があるのだろう、十五年もともに暮した妻の口から、原田甲斐が冷酷な人間だと云ったとすれば、よし、覚えておこう」

――別宴のことを申上げます。

「集まったのは誰だ」

――四家老、三宿老、それに片倉どのでございます。