Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 148.519 Zeichen · 296 Bildschirme
それは柿崎六郎兵衛であった。
丹三郎は新八に云った、「どうしたんだ、宇乃さんをどうするんだ、これはどういうわけだ」
「そこもとはなんだ」と云いながら、六郎兵衛が近よった。
丹三郎は相手の眼を見て危険を感じた。頭巾のあいだにあるその眼は、ぶきみな、殺気に似た光をおびていた。
「宇乃さん」と丹三郎は叫んだ、駕籠の中で、はいと答える声がした、「貴女は騙された、駕籠から出て下さい」
「駕籠をやれ」と六郎兵衛が云った、「小僧、邪魔をすると危ないぞ」
「宮本、この人は誰だ」
「おれは畑姉弟を救うのだ」と六郎兵衛が云った、「この姉弟の身が覘われているから、安全な場所へ匿まってやるんだ」
「貴方は誰です」
「なのる必要はない」と六郎兵衛は云った、「早く駕籠をやれ」
「そうはさせぬぞ」
丹三郎はとびさがって刀を抜いた。新八はがたがたとふるえていた。
風がさっと埃を吹きつけた。丹三郎は片側が武家屋敷で、門前に仲間のいるのを見た。門前を掃いていた二人の仲間は、なに事かというように、こちらを眺めていた。弥吉も五六間はなれた処に立っていた。六郎兵衛は刀の柄へ手をかけ、「新八、駕籠をやらぬか」