Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 148.519 Zeichen · 296 Bildschirme

Aozora Bunko

「まだ着かぬぞ」

――入札を待たずに御出府なさいましたが。

「涌谷はまだ着かぬ」

――おかしゅうございますな、私はもう、とうにお着きのことと思っていました。

「途中で追いぬいたのではないか」

――まったく気づかずにまいりました。

「すると、いや、そんなことはあるまい、あれはただ頑固一徹だけで、裏から策謀するようなことのできぬ男だ、そのほうどの道をまいった」

――浜街道をまいりました。

「よし、さがって休め」

――はっ。

「誰だ、隼人か、まいれ」

――御免。

「いま国から大槻斎宮が着いた、仙台のようすはほぼ予想どおりらしい。大学がまいるとひともめあるぞ」

――申上げることがございます。

「なんだ」

――船岡どのが板倉侯と会われました。

「…………」

――伊東七十郎の手引きで、船岡どのは浜屋敷へあがり、その帰りに侯の下屋敷へまわられました。

「甲斐が、板倉侯とか」

――手作りのくるみ味噌を進上のため、ということで、おそらくそのとおりかと存じますが、報告してまいりましたので、念のため申上げます。

「わかった、おぼえておこう」

――これだけでございます。

「よし、さがってよし」