Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はし

橋

池谷 信三郎

Lesen Sie 橋 (はし) von 池谷 信三郎 (いけたにしんざぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.108 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

このチァイコフスキイのマズルカが、リラの発音で、歌詞のない歌のように、彼女の口を漏れてくると、不思議な哀調が彼の心の奥底に触れるのだった。ことに橋を渡って行くあの別離の時に。

――このマズルカには悲しい想い出があるのよ。といつかシイカが彼を憂鬱にしたことがあった。

――黒鉛ダンスって知ってて?

いきなりシイカが振り向いた。

――いいえ。

――チアレストンよりもっと新らしいのよ。

――僕はああいうダァティ・ダンスは嫌いです。

――まあ、おかしい。ホホホホホ。

このホテルの七階の、四角な小部屋の中に、たった二人で向い合っている時、彼女が橋の向うの靄の中に、語られない秘密を残してきていようなどとはどうして思えようか。彼女は春の芝生のように明るく笑い、マクラメ・レースの手提袋から、コンパクトをとりだして、ひととおり顔を直すと、いきなりポンと彼の鼻のところへ白粉をつけたりした。

――私のお友だちにこんな女があるのよ。靴下止めのところに、いつも銀の小鈴を結えつけて、歩くたびにそれがカラカラと鳴るの。ああやっていつでも自分の存在をはっきりさせておきたいのね。女優さんなんて、皆んなそうかしら。