Japanische Klassiker mit Furigana
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かっこんとう
橘外男ワンダーランド ユーモア小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド ユーモア小説篇 (かっこんとう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.213 Zeichen · 34 Bildschirme
から、私にはちんぷんかんぷん読めん。
ラッソーさんという、西班牙語のわかる、商大の先生が遊びに来たから珈琲をふるまって読んでもらったが、読めども読めども尽くるところなき雷の日記には、ラッソーさんは呆れ返ってしまって、このモンテヴィデオの手紙の主は、何だ? と聞くから日本の医療器械の輸入商人だと答えたら、
「なんて狂人野郎だ! ピンからキリまで雷のことばかり書いてやがる」
と目を廻してせっかくの親切な相手を、莫迦扱いしてしまった。
その西班牙語の手紙の中で、今でも覚えてるのは、ここに特筆して御報いたしたきは、
「数年前、小生は智利アリカ北方の砂漠を旅行中、三度も烈しき雷鳴の轟き渡るを聞けり」
という一節であった。砂漠というところは、雨が降らねえからカサカサして、砂漠になったのであろう。雷は雷雲によって発生するものであり、雷雲は雨を伴う。だのに砂漠で雷が轟き渡るとは、コレいかに? 解せねえ話じゃねえか! と思ったが、ともかく日本広しといえども、砂漠で雷が鳴ることを知ってるのは、俺一人であろうと、私は得意になった。これだけの未発見の知識を、私一人で蔵しておくのは、勿体ねえから中央気象台にも教えてやろうか! と思わぬでもなかったが、いつかウソを吐いて、私を逗子で酷え目に遭わせた恨みがあるから、止めにしてくれた。