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Japanische Klassiker mit Furigana

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はるはばしゃにのって

機械・春は馬車に乗って

横光 利一

Lesen Sie 機械・春は馬車に乗って (はるはばしゃにのって) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.492 Zeichen · 156 Bildschirme

Aozora Bunko

すると、妻はまた、檻の中の理論を引き摺(ず)り出して苦々しそうに彼を見た。

「いいわ、あたし、あなたが何ぜ笑ったのかちゃんと知ってるんですもの」

「いや、俺はお前がよくなって、洋装をきたがって、ぴんぴんはしゃがれるよりは、静に寝ていられる方がどんなに有難いかしれないんだ。第一、お前はそうしていると、蒼(あお)ざめていて、気品がある。まア、ゆっくり寝ていてくれ」

「あなたは、そう云う人なんだから」

「そう云う人なればこそ、有難がって看病が出来るのだ」

「看病看病って、あなたは二言目には看病を持ち出すのね」

「これは俺の誇りだよ」

「あたし、こんな看病なら、して欲しかないの」

「ところが、俺が譬(たと)えば三分間向うの部屋へ行っていたとする。すると、お前は三日も抛(ほ)ったらかされたように云うではないか、さア、何とか返答してくれ」

「あたしは、何も文句を云わずに、看病がして貰いたいの。いやな顔をされたり、うるさがられたりして看病されたって、ちっとも有難いと思わないわ」

「しかし、看病と云うのは、本来うるさい性質のものとして出来上っているんだぜ」

「そりゃ分っているわ。そこをあたし、黙ってして貰いたいの」