Japanische Klassiker mit Furigana
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はるはばしゃにのって
機械・春は馬車に乗って
横光 利一
Lesen Sie 機械・春は馬車に乗って (はるはばしゃにのって) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.492 Zeichen · 156 Bildschirme
何ものよりも、先(ま)ず透明でなければならぬ。と彼は考えた。
ダリヤの茎が干枯(ひ から)びた繩(なわ)のように地の上でむすぼれ出した。潮風が水平線の上から終日吹きつけて来て冬になった。
彼は砂風の巻き上る中を、一日に二度ずつ妻の食べたがる新鮮な鳥の臓物を捜しに出かけて行った。彼は海岸町の鳥屋という鳥屋を片端から訪ねていって、そこの黄色い爼(まないた)の上から一応庭の中を眺め廻してから訊(き)くのである。
「臓物はないか、臓物は」
彼は運好く瑪瑙(め のう)のような臓物を氷の中から出されると、勇敢な足どりで家に帰って妻の枕元に並べるのだ。
「この曲玉(まがたま)のようなのは鳩(はと)の腎臓(じんぞう)だ。この光沢のある肝臓はこれは家鴨(あひる )の生胆(いきぎも)だ。これはまるで、噛(か)み切った一片の唇(くちびる)のようで、この小さな青い卵は、これは崑崙山(こんろんざん)の翡翠(ひ すい)のようで」
すると、彼の饒舌(じょうぜつ)に煽動(せんどう)させられた彼の妻は、最初の接吻(せっぷん)を迫るように、華(はな)やかに床の中で食慾のために身悶(み もだ)えした。