Japanische Klassiker mit Furigana
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はるはばしゃにのって
機械・春は馬車に乗って
横光 利一
Lesen Sie 機械・春は馬車に乗って (はるはばしゃにのって) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.492 Zeichen · 156 Bildschirme
睡蓮
睡蓮(すいれん)
横光利一
もう十四年も前のことである。家を建てるとき大工が土地をどこにしようかと相談に来た。特別どこが好きとも思いあたらなかったから、恰好(かっこう)なところを二三探して見てほしいと私は答えた。二三日してから大工がまた来て、下北沢(しもきたざわ)という所に一つあったからこれからそこを見に行こうという。北沢といえば前にたしか一度友人から、自分が家を建てるなら北沢へんにしたいと洩(も)らしたのを思い出し、急にそこを見たくなって私は大工と一緒にすぐ出かけた。
秋の日の夕暮近いころで、電車を幾つも乗り換え北沢へ着いたときは、野道の茶の花が薄闇(うすやみ)の中に際(きわ)立って白く見えていた。
「ここですよ。どうですかね」
大工は別に良いところでもないがといった顔つきで、ある高台の平坦な畑の中で立ち停った。見たところ芋の植(うわ)っている平凡な畑だったが、周囲に欅(けやき)や杉の森があり近くに人家のないのが、怒るとき大きな声を出す私には好都合だと思った。腹立たしいときに周囲に気がねして声も出さずにすましていては家に自由のなくなる危険がある。