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Japanische Klassiker mit Furigana

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はるはばしゃにのって

機械・春は馬車に乗って

横光 利一

Lesen Sie 機械・春は馬車に乗って (はるはばしゃにのって) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.492 Zeichen · 156 Bildschirme

Aozora Bunko

暫くの間、私はこのあたりに無言でせっせっと鍬(くわ)を入れて来た自分の相棒の内生活を窺(のぞ)く興味に溢(あふ)れ、なお高次郎氏の歌集を読んでいった。妻を詠(うた)い子を詠う歌は勿論(もちろん)、四季おりおりの気遣(きづか)いや職務とか人事、または囚人の身の上を偲(しの)ぶ愛情の美しさなど、百三十二ほどのそれらの歌は、読みすすんでゆくに随(したが)い私には一句もおろそかに読み捨てることが出来ないものばかりだった。私ら二人は新年の挨拶以外に言葉を交(まじ)えたことはなかったとはいえ、どちらも十幾年の月日を忍耐して来た一番の古参である。この歌集の序文にも加藤高次郎君は剣道よりも後から和歌に入りまだ十幾年とはたたぬのに、かくも精神の高さにいたったことは驚歎に価すると歌の師匠が書いているが、私には、高次郎氏の歌はどの一首も思いあたることばかりだったのみならず、すべてそれは氏の亡くなってから私に生き生きと話しかけて来る声だった。私は身を乗り出し耳を傾ける構えだった。

「一剣に心こもりておのづから身のあはだつをかそかに知れり」

「正眼に構えて敵に対(むか)ひつつしばし相手の呼吸をはかる」