Japanische Klassiker mit Furigana
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うたよみにあたうるしょ
歌よみに与ふる書
正岡 子規
Lesen Sie 歌よみに与ふる書 (うたよみにあたうるしょ) von 正岡 子規 (まさおかしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.419 Zeichen · 35 Bildschirme
これはまた上三句全く役に立ち不申候。この歌を名所の歌の手本に引くは大たわけに御座候。総じて名所の歌というはその地の特色なくては叶わず、この歌のごとく意味なき名所の歌は名所の歌になり不申候。しかしこの歌を後世の俗気紛々たる歌に比ぶれば勝ること万々に候。かつ、この種の歌は真似すべきにはあらねど多き中に一首二首あるは面白く候。
月見れば千々に物こそ悲しけれ
我身一つの秋にはあらねど
という歌は最も人の賞する歌なり。上三句はすらりとして難なけれども、下二句は理屈なり蛇足なりと存候。歌は感情を述ぶるものなるに理屈を述ぶるは歌を知らぬゆえにや候らん。この歌下二句が理屈なることは消極的に言いたるにても知れ可申、もし「我身一つの秋と思ふ」と詠むならば感情的なれども、秋ではないがと当り前のことをいわば理屈に陥り申候。かような歌を善しと思うはその人が理屈を得離れぬがためなり、俗人は申すに及ばず今のいわゆる歌よみどもは多く理屈を並べて楽み居候。厳格に言わばこれらは歌でもなく歌よみでもなく候。
芳野山霞の奥は知らねども
見ゆる限りは桜なりけり
八田知紀の名歌とか申候。