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Japanische Klassiker mit Furigana

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うたよみにあたうるしょ

歌よみに与ふる書

正岡 子規

Lesen Sie 歌よみに与ふる書 (うたよみにあたうるしょ) von 正岡 子規 (まさおかしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.419 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

五たび歌よみに与ふる書

嵐の山の桜なりけり

というが有之候由、さてさて驚き入ったる理屈的の歌にては候よ。嵐山の桜のうつくしいと申すはむろん客観的のことなるにそれをこの歌は理屈的に現したり、この歌の句法は全体理屈的の趣向の時に用うべきものにして、この趣向のごとく客観的にいわざるべからざるところに用いたるは大俗のしわざと相見え候。「べきは」と係けて「なりけり」と結びたるが最も理屈的殺風景のところに有之候。一生嵐山の桜を見ようというも変なくだらぬ趣向なり、この歌全く取所無之候。なお手当り次第可申上候なり。〔『日本』明治三十一年二月二十一日〕

五たび歌よみに与ふる書

心あてに見し白雲は麓にて

思はぬ空に晴るる不尽の嶺

というは春海のなりしやに覚え候。これは不尽の裾より見上げし時の即興なるべく、生も実際にかく感じたることあれば面白き歌と一時は思いしが、今ま見れば拙き歌に有之候。第一、麓という語いかがや、「心あてに見し」ところは少くも半腹くらいの高さなるべきを、それを麓というべきや疑わしく候。第二、それは善しとするも「麓にて」の一句理屈ぽくなって面白からず、ただ心あてに見し雲よりは上にありしとばかり言わねばならぬところに候。