Japanische Klassiker mit Furigana
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うたあんどん
歌行灯
泉 鏡花
Lesen Sie 歌行灯 (うたあんどん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.094 Zeichen · 72 Bildschirme
)と呼ばせます。若い衆は舳に待ってて、声が切れると、栄螺の殻をぴしぴしと打着けますの。汐風が濡れて吹く、夏の夜でも寒いもの。……私のそれは、師走から、寒の中で、八百八島あると言う、どの島も皆白い。霜風が凍りついた、巌の角は針のような、あの、その上で、(こいし、こいし。)って、唇の、しびれるばかり泣いている。咽喉は裂け、舌は凍って、潮を浴びた裙から冷え通って、正体がなくなる処を、貝殻で引掻かれて、やっと船で正気が付くのは、灯もない、何の船やら、あの、まあ、鬼の支いた棒見るような帆柱の下から、皮の硬い大な手が出て、引掴んで抱込みます。
空には蒼い星ばかり、海の水は皆黒い。暗の夜の血の池に落ちたようで、ああ、生きているか……千鳥も鳴く、私も泣く。……お恥かしゅうござんす。」
と翳す扇の利剣に添えて、水のような袖をあて、顔を隠したその風情。人は声なくして、ただ、ちりちりと、蝋燭の涙白く散る。
この物語を聞く人々、いかに日和山の頂より、志摩の島々、海の凪、霞の池に鶴の舞う、あの、麗朗なる景色を見たるか。
十九
「泣いてばかりいますから、気の荒いお船頭が、こんな泣虫を買うほどなら、伊良子崎の海鼠を蒲団で、弥島の烏賊を遊ぶって、どの船からも投出される。