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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶしゅうこうひわ

武州公秘話

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 武州公秘話 (ぶしゅうこうひわ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.572 Zeichen · 209 Bildschirme

Aozora Bunko

いや、恐らくは此の方があれより一層誘惑的な鼻であって、ひとたびあの屋根裏の光景を享楽した少年に取っては、確かに垂涎に値いするのである。

見ていると、短檠の明りが隙間洩る風にあおられてゆら/\とはためくたびに、その高い鼻柱が寝顔の半面に黒い影を落して、同じようにゆら/\と動く。燈火の工合で、とき/″\影が大きくひろがり、鼻のあるところ全体が暗くなる。ふと、鼻が見えたり見えなくなったりする。その光線の戯れは、少年に向ってしきりに何かをそゝのかすようであった。鼻が、斬られないうちから斬られた様子をして見せて、彼を促しているのである。何だか一刻も早く斬って貰いたそうである。法師丸は再びあの美女の謎の微笑を想い浮かべた。此の顔を鼻の缺けた首にして、彼女の膝の前に置き、彼女の凝視に曝した時の快感をおもうと、何物にも換え難い気がした。

図

年の割り合いに体重があり膂力がある法師丸は、剣にかけても自信があった。彼は矢庭に寝ている男の枕を蹴って、相手が守り刀へ手をかけるより早く、起き上ろうとして半身を浮かしかけたその胸の上へ跳び着きながら馬乗りになり、唯一と突きに咽喉を刺した。