Japanische Klassiker mit Furigana
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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
Lesen Sie 武蔵野 (わすれえぬひとびと) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.018 Zeichen · 192 Bildschirme
と、幸衛門の叔父さん歳よりも早く禿げし頭をなでながら内に入りぬ。
『わたしも帰って戦争の夢でも見るかな』と、罪のない若旦那の起ちかかるを止めるように
『戦争はまだ永く続きそうでございますかな』と吉次が座興ならぬ口ぶり、軽く受けて続くとも続くともほんとの戦争はこれからなりと起ち上がり
『また明日の新聞が楽しみだ、これで敗戦だと張り合いがないけれど我軍の景気がよいのだから同じ待つにも心持ちが違うよ。』お寝みと帰ってしまえば後は娘二人と吉次のみ、置座にわかに広うなりぬ。夜はふけ月さえぬれど、そよ吹く風さえなければムッとして蒸し熱き晩なり。吉次は投げるように身を横にして手荒く団扇を使いホッとつく嘆息を紛らせばお絹
『吉さんまだ風邪がさっぱりしないのじゃアないのかね。』
『風邪を引いたというのは嘘だよ。』
『オヤ嘘なの、そんならどうしたの。』
『どうもしないのだよ。』
『おかしな人だ人に心配させて』とお絹は笑うて済ますをお常は
『イヤ何か吉さんは案じていなさるようだ。』
『吉さんだって少しは案じ事もあろうよ、案じ事のないものは馬鹿と馬鹿だというから。』
『まだある若旦那』と小さな声で言うお常もその仲間なるべし。