Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わすれえぬひとびと

武蔵野

国木田 独歩

Lesen Sie 武蔵野 (わすれえぬひとびと) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.018 Zeichen · 192 Bildschirme

Aozora Bunko

郊外

※(始め二重括弧、1-2-54)一※(終わり二重括弧、1-2-55)

時田先生、名は立派なれど村立小学校の教員である、それも四角な顔の、太い眉の、大きい口の、骨格のたくましい、背の低い、言うまでもなく若い女などにはあまり好かれない方の男。

そのくせ生徒にも父兄にも村長にもきわめて評判のよいのは、どこか言うに言われぬ優しいところがあるので、口数の少ない代わりには嘘を言うことのできない性分、それは目でわかる、いつも笑みを含んでいるので。

嫁を世話をしよう一人いいのがあると勧めた者は村長ばかりではない、しかしまじめな挨拶をしたことなく、今年三十一で下宿住まい、このごろは人もこれを怪しまないほどになった。

梅ちゃん、先生の下宿はこの娘のいる家の、別室の中二階である。下は物置で、土間からすぐ梯子段が付いている、八畳一間ぎり、食事は運んで上げましょというのを、それには及ばないと、母屋に食べに行く、大概はみんなと一同に膳を並べて食うので、何を食べささりょうと頓着しない。

梅ちゃんは十歳の年から世話になったが、卒業しないで退校ても先生別に止めもしなかった、今は弟の時坊が尋常二年で、先生の厄介になっている、宅へ帰ると甘えてしかたがないが学校では畏れている。