Japanische Klassiker mit Furigana
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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
Lesen Sie 武蔵野 (わすれえぬひとびと) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.018 Zeichen · 192 Bildschirme
そして自慢そうに、うれしそうに笑った。
『上田、自慢するなッ』と一人の少年が叫んだ。
豊吉はつッと立ち上がって、上田と呼ばれた少年の方を向いて眉に皺を寄せて目を細くしてまぶしそうに少年の顔を見た。そしてそのそばに往った。
『どれ、今のをお見せなさい、』と豊吉は少年の顔を見ながら言ッた。
少年はいぶかしそうに豊吉を見て、不精無精に籠の口を豊吉の前に差し向けた。
『なるほど、なるほど。』豊吉はちょっと籠の中を見たばかりで、少年の顔をじっと見ながら『なるほど、なるほど』といって小首を傾けた。
少年は『大きいだろう!』と鋭く言い放ってひったくるように籠を取って、水の中に突き込んだ。そして水の底をじっと見て、もう傍らに人あるを忘れたようである。
豊吉はあきれてしまった。『どうしても阿兄の子だ、面相のよく似ているばかりか、今の声は阿兄にそっくりだ』となおも少年の横顔を見ていたが、画だ、まるで画であった! この二人のさまは。
川柳は日の光にその長い青葉をきらめかして、風のそよぐごとに黒い影と入り乱れている。その冷ややかな陰の水際に一人の丸く肥ッた少年が釣りを垂れて深い清い淵の水面を余念なく見ている、その少年を少し隔れて柳の株に腰かけて、一人の旅人、零落と疲労をその衣服と容貌に示し、夢みるごときまなざしをして少年をながめている