Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

わすれえぬひとびと

武蔵野

国木田 独歩

Lesen Sie 武蔵野 (わすれえぬひとびと) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.018 Zeichen · 192 Bildschirme

Aozora Bunko

。小川の水上の柳の上を遠く城山の石垣のくずれたのが見える。秋の初めで、空気は十分に澄んでいる、日の光は十分に鮮やかである。画だ! 意味の深い画である。

豊吉の目は涙にあふれて来た。瞬きをしてのみ込んだ時、かれは思わはずその涙をはふり落とした。そして何ともいえない懐しさを感じて、『ここだ、おれの生まれたのはここだ、おれの死ぬのもここだ、ああうれしいうれしい、安心した』という心持ちが心の底からわいて来て、何となく、今までの長い間の辛苦艱難が皮のむけたように自分を離れた心地がした。

『お前のおとっさんの名はなんていうかね』と豊吉は親しげに少年に近づいた。

少年は目を丸くして豊吉を見た。豊吉はなおも親しげに、

『貫一というだろう?』

少年は驚いて豊吉の顔をじっと見つめた。豊吉は少し笑いを含んで、

『貫一さんは丈夫かね。』

『達者だ。』

『それで安心しました、ああそれで安心しました。お前は豊吉という叔父さんのことをおとっさんから聞いたことがあろう。』

少年はびっくりして立ちあがった。

『お前の名は?』

『源造。』

『源造、おれはお前の叔父さんだ、豊吉だ。』

少年は顔色を変えて竿を投げ捨てた。