Japanische Klassiker mit Furigana
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すいちゅうのきゅうでん
水中の宮殿
野村 胡堂
Lesen Sie 水中の宮殿 (すいちゅうのきゅうでん) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.533 Zeichen · 52 Bildschirme
れているのです。
「藤原時代の人間の足跡だろう」
運動家らしい健一は、忽ち物を楽天的に考えますが、燿子と綾子はそれほど呑気ではありません。
「でも、踵の跡に鋲を打っているワよ。八百年も前の人が、こんな靴を履いたかしら」
「フーム」
健一も唸り出しました。靴を履いた人間がここへ入って来たとすると、これは大変なことになります。
「お兄様、昼見た時、穴の入口はどんなになっていて?」
「砂利と岩と泥で塞がっていたよ」
「八百年も前から水底で塞がっていたのに、お兄様が鶴嘴でそんなにわけもなく開けられるかしら」
「そう言えばそうだな」
「この穴は宝庫とは関係のない昔の抜穴じゃないかしら、――綾子さんのお父様が一度発見なすって、なんにもなかったんで入口を塞いでおいたのじゃないかしら?」
燿子の考えようは次第に緻密になって行きます。
「おや?」
今度は綾子がなんか見つけました。
「何?」
「なんでしょう。随分重いワ」
半メートル四方ほどの薄い銅板で、綾子の手では持ち上げるのが精一杯です。
「あッ、宝庫の絵図面よ、きっと」
「どれどれ」
三人は思わず首をあつめました。
堤防は切れた――水が物凄い勢いで隧道へ