Japanische Klassiker mit Furigana
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すいちゅうのきゅうでん
水中の宮殿
野村 胡堂
Lesen Sie 水中の宮殿 (すいちゅうのきゅうでん) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.533 Zeichen · 52 Bildschirme
写真を案内に入る――隧道には毒ガス
写真を案内に入る――隧道には毒ガス
健一が一関から帰ったのは、思いの外早くて、その晩の一時頃、手には六枚の写真を持って、凡そ得意満面です。
「燿ちゃん、大手柄だ、写真はみんな上出来だぞ、これさえあれば、銅板なんか重くて邪魔っけだ」
卓の上――電灯の下に並べたのを見ると、燿子の手際にしては全く見事な出来で、六枚のうち、少くとも二枚は玄人が撮ったように鮮明です。
「まア、私の写真が役に立つなんておかしいわねえ」
燿子は有頂天なうちにも、少しきまり悪そうでした。
「ところで、この写真でも判る通り、絵図面の外に、何か引っ掻きの跡があるんだ、どうも、後で銅板へ書いた字らしいが、どうしても読めない」
「…………」
一番鮮明な写真をすかして見ると、成程その端っこの方に、何やら引っ掻きの文字のようなものが見えます。
「銅板直接では錆の為に見えなかったが、写真を撮ると、青錆が白く映るから、引っ掻きが浮いて見えるんだ、――兎に角、このままではしようがないから、フィルムへ鍍金して、引きのばして貰うことにしたよ、明日の夕方までには、使の者が持って来る筈だ」
銅板の写真に現れた引っ掻きの文字は、どんな秘密を語るか、それは兎も角、夜の明けるのを待って、平泉館の発掘作業は、又一段の勢で続けられたことは事実です。