Japanische Klassiker mit Furigana
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みとばいふ
水戸梅譜
山本 周五郎
Lesen Sie 水戸梅譜 (みとばいふ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.607 Zeichen · 25 Bildschirme
、明敏英邁である反面に我儘で峻烈なところも多かった。……主税の言葉を聞き終ると、光圀はじっと碁盤のおもてを見おろしたまま、いつもほど銀をやってかえすがよいと云った。主税はそのまま御前をさがり、かね包をつくって待たせてある室へもどった。……浪人はむざんなほど落胆した。額のあたりを蒼くし、ため息をついてしばらくはものを云うちからもないようすだった。「あいにく役どころに然るべき空きもなく、折角ながらおのぞみに副えずまことにお気の毒に思います、どこぞよき縁あって一日もはやく御出世をなさるよう、これは主人より申付かったものです、些少ながらお納め下さい」主税はそう云ってかね包をさしだした。
「わたくしが御奉公つかまつりたいのは」と五百旗五郎兵衛は云った、「御当家みとさまを措いてほかにはございません、御当家に仕官がかないませんければ、もはや此の世にのぞみのないからだでございます、御厚志はまことにかたじけのうございますが、この銀子はご辞退をつかまつります」
「しかし主人のこころざしでもあり御遠慮は無用と思いますが」
「いや是ばかりはかたくお断り申します、その代りと申していかがと存じますが、お庭うちを拝借させて頂けましょうか」