Japanische Klassiker mit Furigana
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
Lesen Sie 江戸情話集 (かごつるべ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.779 Zeichen · 407 Bildschirme
今夜はおとなしく帰ったがよかろう。兄はきっとこの半九郎が連れて戻る。安心して帰れ、帰れ」と、半九郎は杯を手にしながら言った。
余人ならばともかくも、日頃から兄の悪友と睨んでいる半九郎の仲裁を、源三郎は素直に承知する筈はなかった。現に先月の十三夜にも、半九郎はきっと帰すと安受け合いをして置きながら、兄はその晩に帰らなかった。そうした嘘つきの、不信用の半九郎が、今更何を言っても相手にはならぬというように、源三郎は眼に角を立てて罵るように答えた。
「いや、安心してはいられまい。一つ穴のむじなどもが安受け合いを、真にうけて帰らりょうか。源三郎はもうお身たちに化かされてはおらぬぞ。兄がかようなたわけの有りたけを尽くすも、お身たちのような不仕埒な朋輩があればこそ。よい朋輩を持って兄も仕合せ者、手前もきっとお礼を申すぞ」
喧嘩腰の挨拶を、半九郎は笑いながら受け流した。
「はは、そのように怒るなよ。お身はまだ年が若いので、一途に人ばかり悪い者のように言うが、兄は兄、おれはおれだ。兄が遊ぶと、おれが遊ぶとは、同じ遊びでも心の入れ方が違うかも知れぬ。いや、それはそれとして、兄も今夜が京の遊び納めであろうから、それを無理に連れて帰ろうとするのは余りにむごい、気の毒だ。