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Japanische Klassiker mit Furigana

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えどげいじゅつろん

江戸芸術論

永井 荷風

Lesen Sie 江戸芸術論 (えどげいじゅつろん) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.130 Zeichen · 167 Bildschirme

Aozora Bunko

六

六

浮世絵は元より木板画にのみ限られたるにあらず。師宣、政信、懐月堂等の諸家は板画と共に多く肉筆画の制作をなせしが、鳥居清信専ら役者絵の板下を描き、宮川長春これに対して肉筆美人画を専らとせしより、中古の浮世絵はやや確然として肉筆派と板下派との二流に分るるの観ありき。しかして明和二年に至り、鈴木春信初めて精巧なる木板彩色摺の法を発見せしより浮世絵の傑作品は多く板画に止まり、肉筆の制作は湖龍斎、春章、清長、北斎らの或る作品を除くの外、多く賞讃するに足るものなきに至りぬ。浮世絵肉筆画の木板摺に及ばざる理由は、専らその色彩の調和に存す。木板摺においてはそが工芸的制作の必然的結果として、ここに特殊の色調を生じ、各色の音楽的調和によりて企てずして自から画面に空気の感情を起さしむるといへども、肉筆画にありては、朱、胡粉、墨等の顔料は皆そのままに独立して生硬なる色彩の乱雑を生ずるのみ。これ画家の罪にあらずして日本画の物質的材料の欠点たり。今諸家の制作を見るに、木板色摺のいまだ進歩せざりし紅絵の時代においては、板下画家はその色彩の規範を常に肉筆画に仰ぎたれども、後には全く反対となり、肉筆画の色彩をばかへつて木板画に倣はんとするに至りぬ。