Japanische Klassiker mit Furigana
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じんだいしのけんきゅうほう
津田左右吉歴史論集
津田 左右吉
Lesen Sie 津田左右吉歴史論集 (じんだいしのけんきゅうほう) von 津田 左右吉 (つだそうきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 117.964 Zeichen · 229 Bildschirme
故に人は社会に順応し適合せねばならぬという風に説く事に一致しておりました。斯く申しますとあるいは不思議に思う方があるかも知れない。何となれば明治維新、即ち徳川三百年の夢漸く醒めて、王政復古の新時代が生れたのは正に世が動いたのであって、而してそれは尊王論の勃興が原因であり、その尊王論は当時の制度を不可なりとせる国学者が之を主張したのではないか、即ち幕府の倒れたるは源にさかのぼれば実に国学者の力ではないかと考える人が多いからであります。
しかしながら事実は決して左様ではないのであります。これに就ては世間に誤解が多いと考えますから特に申添えて置きますが、当時尊王論を唱え、幕府反抗を説けるが如く思わるる人々は実は当時の社会に順応することのみを説いた人々であります。賀茂真淵の如きは江戸にいたし、殊に幕府の一門たる林家に仕えたのであるから、之によっても幕府に反抗心なかりしを知るに足るのである。彼には東照宮の功績を賞め讃えたる和歌なぞもある位である。彼の高弟たる本居宣長また然りで彼は幕府が倒壊し、もしくは動揺するなぞとは思いやしない。彼は一種の哲学、世界観を持っておって、社会は神の造れるものである。