Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うかぶひこうとう

浮かぶ飛行島

海野 十三

Lesen Sie 浮かぶ飛行島 (うかぶひこうとう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.009 Zeichen · 249 Bildschirme

Aozora Bunko

「……」

中国人ボーイたちはきょとんとして、互の顔を見合うばかり。日本語なんか、ちっとも分からないという風だ。

日本語のほか知らない杉田二等水兵は、はたと困っちまった。

「誰か日本語の分かる者はいないのか。ニッポン、日本だぞ」

杉田二等水兵のはげしい権幕に恐れてか、中国人ボーイは一人立ち二人立ちして、だんだん杉田の前に集ってきた。そしてぺちゃぺちゃしゃべっては、いぶかしそうな顔をしている。

「おい、どこかへ行って日本語の分かるやつを引張ってこい。一たい、日本語が分からないなんて、けしからんぞ」

と、きめつけたが、もちろん、通じるわけがない。

そのうちに、一人のボーイが奥へかけこんだ。

誰か探しにいったんだろうと思っていると、果して奥から別の人間を引張ってきた。それは胸にエプロンをしめ、片手に肉切庖丁を握った料理人風の男だった。

「おい、お前は日本語が分かるのか」

かの料理人は、耳に手をあてて杉田の方を見ながら眼をぱちぱちやっていたが、やがてにやにや笑うと、いきなり杉田の手をにぎり、

「ああ――ああ、こにちは」

杉田は突然「今日は」と挨拶をされて、百万の味方を得たように喜んだ。