Japanische Klassiker mit Furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme
トあせるばかりで凄み文句は以上見附からず、そしてお勢を視れば、尚お文三の顔を凝視めている……文三は周章狼狽とした……
「モウそ……それッきりかネ」
ト覚えず取外して云って、我ながら我音声の変ッているのに吃驚した。
「何が」
またやられた。蒼ざめた顔をサッと※らめて文三が、
「用事は……」
「ナニ用事……ウー用事か、用事と云うから判らない……さよう、これッきりだ」
モウ席にも堪えかねる。黙礼するや否や文三が蹶然起上ッて坐舗を出て二三歩すると、後の方でドッと口を揃えて高笑いをする声がした。文三また慄然と震えてまた蒼ざめて、口惜しそうに奥の間の方を睨詰めたまま、暫らくの間釘付けに逢ッたように立在でいたが、やがてまた気を取直おして悄々と出て参ッた。
が文三無念で残念で口惜しくて、堪え切れぬ憤怒の気がカッとばかりに激昂したのをば無理無体に圧着けた為めに、発しこじれて内攻して胸中に磅鬱積する、胸板が張裂ける、腸が断絶れる。
無念々々、文三は耻辱を取ッた。ツイ近属と云ッて二三日前までは、官等に些とばかりに高下は有るとも同じ一課の局員で、優り劣りが無ければ押しも押されもしなかッた昇如き犬自物の為めに耻辱を取ッた、然り耻辱を取ッた。