Japanische Klassiker mit Furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme
以前は人我の隔歴が無かッたが、この頃は全く他人にする。霽顔を見せた事も無い、温語をきいた事も無い。物を言懸ければ聞えぬ風をする事も有り、気に喰わぬ事が有れば目を側てて疾視付ける事も有り、要するに可笑しな処置振りをして見せる。免職が種の悶着はここに至ッて、沍ててかじけて凝結し出した。
文三は篤実温厚な男、仮令その人と為りはどう有ろうとも叔母は叔母、有恩の人に相違ないから、尊尚親愛して水乳の如くシックリと和合したいとこそ願え、決して乖背し離したいとは願わないようなものの、心は境に随ッてその相を顕ずるとかで、叔母にこう仕向けられて見ると万更好い心地もしない。好い心地もしなければツイ不吉な顔もしたくなる。が其処は篤実温厚だけに、何時も思返してジッと辛抱している。蓋し文三の身が極まらなければお勢の身も極まらぬ道理、親の事ならそれも苦労になろう。人世の困難に遭遇て、独りで苦悩して独りで切抜けると云うは俊傑の為る事、並や通途の者ならばそうはいかぬがち。自心に苦悩が有る時は、必ずその由来する所を自身に求めずして他人に求める。求めて得なければ天命に帰してしまい、求めて得れば則ちその人を嫉する。