Japanische Klassiker mit Furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme
何でもかでもと親を責がむ、寝言にまで言ッて責がむ。トいってまだ年端も往かぬに、殊にはなまよみの甲斐なき婦人の身でいながら、入塾などとは以の外、トサ一旦は親の威光で叱り付けては見たが、例の絶食に腹を空せ、「入塾が出来ない位なら生ている甲斐がない」ト溜息噛雑ぜの愁訴、萎れ返ッて見せるに両親も我を折り、それ程までに思うならばと、万事を隣家の娘に托して、覚束なくも入塾させたは今より二年前の事で。
お勢の入塾した塾の塾頭をしている婦人は、新聞の受売からグット思い上りをした女丈夫、しかも気を使ッて一飯の恩は酬いぬがちでも、睚眥の怨は必ず報ずるという蚰蜒魂で、気に入らぬ者と見れば何かにつけて真綿に針のチクチク責をするが性分。親の前でこそ蛤貝と反身れ、他人の前では蜆貝と縮まるお勢の事ゆえ、責まれるのが辛らさにこの女丈夫に取入ッて卑屈を働らく。固より根がお茶ッぴいゆえ、その風には染り易いか、忽の中に見違えるほど容子が変り、何時しか隣家の娘とは疎々しくなッた。その後英学を初めてからは、悪足掻もまた一段で、襦袢がシャツになれば唐人髷も束髪に化け、ハンケチで咽喉を緊め、鬱陶しいを耐えて眼鏡を掛け、独よがりの人笑わせ、天晴一個のキャッキャとなり済ました。