Japanische Klassiker mit Furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme
とお政は莞爾した、何と云ッてもまだおぼだなと云いたそうで。「お前に構ッて貰いたいンで来なさるンじゃ有るまいシ」
「あら、そうじゃ無いンだけれどもさ……」
と愧かしそうに自分も莞爾。
おほんという罪を作ッているとは知らぬから、昇が、例の通り、平気な顔をしてふいと遣ッて来た。
「おや、ま、噂をすれば影とやらだよ」とお政が顔を見るより饒舌り付けた。「今貴君の噂をしていた所さ。え? 勿論さ、義理にも善くは云えないッさ……ははははは。それは情談だが、きついお見限りですね。何処か穴でも出来たンじゃないかね? 出来たとえ? そらそら、それだもの、だから鰻男だということさ。ええ鰌で無くッてお仕合せ? 鰌とはえ? ……あ、ほンに鰌と云えば、向う横町に出来た鰻屋ね、ちょいと異ですッさ。久し振りだッて、奢らなくッてもいいよ。はははは」
皺延ばしの太平楽、聞くに堪えぬというは平日の事、今宵はちと情実が有るから、お勢は顔を皺めるはさて置き、昇の顔を横眼でみながら、追蒐け引蒐けて高笑い。てれ隠しか、嬉しさの溢れか当人に聞いてみねば、とんと分からず。
「今夜は大分御機嫌だが」と昇も心附いたか、お勢を調戯だす。