Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うきぐも

浮雲

二葉亭 四迷

Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme

Aozora Bunko

「何だと?」

「綺麗なお顔で御座いますということ」

昇は例の黙ッてお勢を睨め出す。

「綺麗なお顔だというンだから、ほほほ」と用心しながら退却をして、「いいじゃア……おッ……」

ツと寄ッた昇がお勢の傍へ……空で手と手が閃く、からまる……と鎮まッた所をみれば、お勢は何時か手を握られていた。

「これがどうしたの?」と平気な顔。

「どうもしないが、こうまず俘虜にしておいてどッこい……」と振放そうとする手を握りしめる。

「あちちち」と顔を皺めて、「痛い事をなさるねえ!」

「ちッとは痛いのさ」

「放して頂戴よ。よう。放さないとこの手に喰付ますよ」

「喰付たいほど思えども……」と平気で鼻歌。

お勢はおそろしく顔を皺めて、甘たるい声で、「よう、放して頂戴と云えばねえ……声を立てますよ」

「お立てなさいとも」

と云われて一段声を低めて、「あら引本田さんが引手なんぞ握ッて引ほほほ、いけません、ほほほ」

「それはさぞ引お困りで御座いましょう引」

「本統に放して頂戴よ」

「何故? 内海に知れると悪いか?」

「なにあんな奴に知れたッて……」

「じゃ、ちッとこうしてい給え。大丈夫だよ、淫褻なぞする本田にあらずだ……が、ちょッと……」