Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うきぐも

浮雲

二葉亭 四迷

Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme

Aozora Bunko

夢を見て、嬉しく、畏ろしい思をしているのか? 恍惚とした顔に映る内の想が無いから、何を思ッていることかすこしも解らないが、とにかく良久らくの間は身動をもしなかッた、そのままで十分ばかり経ったころ、忽然として眼が嬉しそうに光り出すかと思う間に、見る見る耐えようにも耐え切れなさそうな微笑が口頭に浮び出て、頬さえいつしか紅を潮す。閉じた胸の一時に開けた為め、天成の美も一段の光を添えて、艶なうちにも、何処か豁然と晴やかに快さそうな所も有りて、宛然蓮の花の開くを観るように、見る眼も覚めるばかりで有ッた。突然お勢は跳ね起きて、嬉しさがこみあげて、徒は坐ッていられぬように、そして柱に懸けた薄暗い姿見に対い、糢糊写る己が笑顔を覗き込んで、あやすような真似をして、片足浮かせて床の上でぐるりと回り、舞踏でもするような運歩で部屋の中を跳ね廻ッて、また床の上へ来るとそのまま、其処へ臥倒れる拍子に手ばしこく、枕を取ッて頭に宛がい、渾身を揺りながら、締殺ろしたような声を漏らして笑い出して。

この狂気じみた事の有ッた当坐は、昇が来ると、お勢は臆するでもなく耻らうでもなく只何となく落着が悪いようで有ッた。