Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うきぐも

浮雲

二葉亭 四迷

Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme

Aozora Bunko

帰宅したとてもお勢の顔を見ればよし、さも無ければ落脱力抜けがする。「彼女に何したのじゃアないのかしらぬ」ト或時我を疑ッて、覚えずも顔を※らめた。

お勢の帰宅した初より、自分には気が付かぬでも文三の胸には虫が生た。なれどもその頃はまだ小さく場取らず、胸に在ッても邪魔に成らぬ而已か、そのムズムズと蠢動く時は世界中が一所に集る如く、又この世から極楽浄土へ往生する如く、又春の日に瓊葩綉葉の間、和気香風の中に、臥榻を据えてその上に臥そべり、次第に遠り往く虻の声を聞きながら、眠るでもなく眠らぬでもなく、唯ウトウトとしているが如く、何ともかとも言様なく愉快ッたが、虫奴は何時の間にか太く逞しく成ッて、「何したのじゃアないか」ト疑ッた頃には、既に「添たいの蛇」という蛇に成ッて這廻ッていた……寧ろ難面くされたならば、食すべき「たのみ」の餌がないから、蛇奴も餓死に死んでしまいもしようが、憖に卯の花くだし五月雨のふるでもなくふらぬでもなく、生殺しにされるだけに蛇奴も苦しさに堪え難ねてか、のたうち廻ッて腸を噛断る……初の快さに引替えて、文三も今は苦しくなッて来たから、窃かに叔母の顔色を伺ッて見れば、気の所為か粋を通して見て見ぬ風をしているらしい。