Japanische Klassiker mit Furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme
紳士の随伴と見える両人の婦人は、一人は今様おはつとか称える突兀たる大丸髷、今一人は落雪とした妙齢の束髪頭、孰れも水際の立つ玉揃い、面相といい風姿といい、どうも姉妹らしく見える。昇はまず丸髷の婦人に一礼して次に束髪の令嬢に及ぶと、令嬢は狼狽て卒方を向いて礼を返えして、サット顔を※めた。
暫らく立在での談話、間が隔離れているに四辺が騒がしいのでその言事は能く解らないが、なにしても昇は絶えず口角に微笑を含んで、折節に手真似をしながら何事をか喋々と饒舌り立てていた。その内に、何か可笑しな事でも言ッたと見えて、紳士は俄然大口を開いて肩を揺ッてハッハッと笑い出し、丸髷の夫人も口頭に皺を寄せて笑い出し、束髪の令嬢もまた莞爾笑いかけて、急に袖で口を掩い、額越に昇の貌を眺めて眼元で笑った。身に余る面目に昇は得々として満面に笑いを含ませ、紳士の笑い罷むを待ッてまた何か饒舌り出した。お勢母子の待ッている事は全く忘れているらしい。
お勢は紳士にも貴婦人にも眼を注めぬ代り、束髪の令嬢を穴の開く程目守めて一心不乱、傍目を触らなかった、呼吸をも吻かなかッた、母親が物を言懸けても返答もしなかった。