Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
ボーイ長は歯を食いしばって、嗚咽を止めようとした。そして厚い礼も言いたい。彼らの今後の行動の予定も知りたい。どうすればどこで会えるか、その方法も知りたい。また取りあえずの所書きももらって置きたい。自分の所書きも渡したい。ああも、こうもしたかった。それだけなおさら、彼の涙は、あふれ落ちた。彼の泣き声は食いしばった歯の間から、鋭くもれた。
藤原のほとんど冷酷な、動いたことのない意志そのもののような目の中にも、重く、鋭く、悲しみがひらめいた。
波田も歯を食いしばった。そして力をこめてボーイ長の手を握った。そして、
「からだを大切にして、早くなおりたまえね」と言った。が、彼は、自分たちが去ったあとではボーイ長はどうなるだろう、その傷や病はだれが気をつけるのだろう、と思っては、「なおりたまえ」という言葉さえも惨酷な言葉であったと思うのだった。打っちゃらかしといて、どうしてけがや病がなおりうるか、だれがこの責任を負うのだ! と思うて、彼は思わず涙のにじみ出るのを覚えた。そして彼の心は、ますますのろいの焔を強く燃え立たせた。
「またどこかで、会うこともあるだろう。