Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
歴史が行く道をおれはついて行き、その歴史の櫓を押せばいいのだ。
「おい! 伝馬はどんどん流れっちまうじゃないか、どうしたんだい」
「船長! 引き潮だから、いくら押してもだめだ。港口に行きゃあ、また流れっちまうだけのもんだ。それよりゃ上げ潮を待った方がいいや」三上はまだ獲物のそばにでもいるように薄気味わるく、ぞんざいな言葉を使った。
「ばかなことをいうな! 夜が明けちまうじゃないか、しっかり押せ!」
「自分でやって見るといいや、これ以上おれたちの腕にゃ合わねえんだから」三上はいよいよ打っつけるようにいい切った。
「何だ! やらないというのか! よし! 覚えておれ!」船長も仕方がなかった。こんなまっ暗がりの海の上でけんかをすれば自分が負けにきまっているのだった。彼は明日を待つことにした。
「何だと! 覚えておれ? この野郎! 手前は何だって……今日の暴化がサンパン止めになってる事ぐらいを知らないか、この野郎、手前を海の中にたたき落とすのは造作ねえんだぞ、どこひょっとこめ!」三上は漕ぐ手を止めてしまった。
三上は、低能だといわれていた。彼にはいろんな発作的の行動があるのだ。