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Japanische Klassiker mit Furigana

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あざらしとう

海豹島

久生 十蘭

Lesen Sie 海豹島 (あざらしとう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.311 Zeichen · 48 Bildschirme

Aozora Bunko

目測したところでは、膃肭獣の身長は一・四米から一・五米の間であるから、小柄な女なら支障なくその中にひそみ、膃肭獣の皮をつけたままどのような人を馬鹿にした行動でもとり得るのである。

娘は膃肭獣の中にいる。私はうまくしてやられた思いで、

「ちくしょう」と舌打ちをしたが、なんのために娘を膃肭獣の中へなど入れてあるのか、理由を発見するのに苦しんだ。膃肭獣をひっとらえて、事実のところをたしかめて見たく好奇心の荷重で耐えがたいほどになった。決行するには狭山の留守をねらうほかはないが、一日に一回しか機会がない。狭山が薪小屋に薪をとりにゆく時だけだ。

私は扉の前に積んだ木箱や古机を、音のしないようにもとの壁ぎわに移し、鍵をあけ、いつでも飛びだせるように用意した。間もなく、いつものように薪箱に手鈎をひっかけてひきずり出す音がきこえ、裏口の扉がバタンと鳴って、狭山が戸外へ出て行った。私はひきちぎるように土間の扉をあけると、狭山の寝台のそばまで飛んで行った。

膃肭獣は嫋やかな背を見せて丸くなって眠っている。私は首筋を掴んで寝台の下からひきだした。膃肭獣はキョトンと私の顔を眺めていたが、身ぶるいをひとつすると、髯の生えた唇を釣りあげ、牙をむき出して私を寄せつけまいとしたが、委細かまわず背筋をこきおろし、あおのけにひっ繰りかえして