Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

りんらくのこうじょのおぼえがき

淪落の皇女の覚書

久生 十蘭

Lesen Sie 淪落の皇女の覚書 (りんらくのこうじょのおぼえがき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.649 Zeichen · 56 Bildschirme

Aozora Bunko

ロシアへ乗りこんで来たからです。

祖母も後ではたいへんに後悔して、「あれ(ニコラス)は弱虫のくせに感受性が足りません」などと、母にひきまわされる父まで憎むようになり、父や母にたいする面当てに叔父のミシェル大公(皇弟)を可愛がりだし、お蔭で叔父の大公妃は祖母からたいへんな頂きものをしたりして驚いていました。

祖母と父の感情がこんなふうに擦れあっているところへ、同族や親族の中には先帝を追慕する回想派といわれる一派があり、更に露仏同盟を中心にする祖母を含めた親仏派と、同盟に不満を感じている母を含む親独派の二派に分れているというたいへんな騒ぎなのです。同族は一人残らず互いに皇位をめざす競争者ですが、そのくせ腹の底まで臆病者どもで、叔父のアレクシス大公は第一次革命の前々日、一千万留の全財産を外国銀行へ逃避させ、セルゲー大公などは夜も昼も旅行馬車に馬を繋ぎっぱなしにし、一カ月の間、着たままで寝床に入っていたというありさまで、騒動の日は誰一人宮廷へ出て来ず、議員に逢うのは父だけ。あらゆる動乱は父の肩の上に雪崩れ落ちるのでした。

お世辞をいって父に近づくのは、そうすることで利権を握ろうとするものばかり。