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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんやのきゃく

深夜の客

大倉 燁子

Lesen Sie 深夜の客 (しんやのきゃく) von 大倉 燁子 (おおくらてるこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.926 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

後生ですから――」手に縋りついた。

「じゃ、私が留守番していますから、お嬢様行っていらっしゃい」

家に居残るよりも、その方がいくらか恐しくなかったと見えて、美和子は直ぐに外へ馳け出した。

検屍の結果、殺人の行われたのは午後六時から七時の間であるとの事であった。その時間に家にいた者は美和子一人である。

女中は係官の前でこんなことを云った。

「最近の旦那様は非常な気難しさで、始終いらいらして、夜もおちおちお眠りになれない御様子でした。ニュースを聞いていらしたかと思うと、突然顔色を変え、東京から急に大工を呼び寄せて戸締りを直させたり、ちょっとした物音にも脅えて、まるで誰かに狙われてでもいらっしゃるようでした。今日は朝から大不機嫌で、お嬢様に当り散し、聞くに堪えない悪口を浴びせかけたので、お温順しいお嬢様も我慢がお出来にならなかったと見え、遂いに大口論となりました。旦那様は恐しいお声で、美和子は俺を殺す気だな、とか、いつかは俺はお前に殺されるだろうとか仰しゃっているのが聞えました」

係官の眼は等しく美和子にそそがれた。しかし、彼女はその六時と七時の間には二階の自分の部屋で手紙を書いていたと云った。