Japanische Klassiker mit Furigana
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しんやのしちょう
深夜の市長
海野 十三
Lesen Sie 深夜の市長 (しんやのしちょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.982 Zeichen · 220 Bildschirme
なるほど積まれた本と本との間の極く狭い空地に、ボロ帛を下に敷いて見覚えのある時計とニッケル貨幣とがチョンと載っていた。
「用が済んだと仰有ると、……何の手懸りもなかったのですか」
「そう、……ちょうどいい、浅間君」と、怪科学者は狎れ狎れしく僕の名前を呼び、「いまの君の答で、求むる結果は、うまく出たのだから、君一つ、『深夜の市長』に僕の書く手紙を持っていってくれないかネ」
それを聞いて、僕は口の裡で、「呀ッ――」と叫んだ。一つは唐突に僕の名前を呼ばれたのにも驚いた。が、それよりも大きな驚きは僕に尋ねた無意味だとしか思われない質問が、実は僕の例の事件を解くためにされたらしいことだった。その様子だとすると、僕がこの部屋に入ってくる前に、速水輪太郎は、あの二つの証拠物件からして、犯罪事件に関する解答を一生懸命計算していたのに違いない。
「もう、あの事件の謎は解けたのですか。それならどうか教えて下さい」
そういうと速水輪太郎は、腕を後に組んで往復運動を続けながら大きく肯いて、
「解答は至極簡単である。例の殺された男は、昨日の午後七時五十一分三十秒に、あの懐中時計を狂わせる原因を得ている。