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Japanische Klassiker mit Furigana

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うずまけるからすのむれ

渦巻ける烏の群

黒島 伝治

Lesen Sie 渦巻ける烏の群 (うずまけるからすのむれ) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.240 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

中隊長の顔には、焦慮の色が表われている。

草原も、道も、河も悉く雪に蔽われていた。

枝に雪をいただいて、それが丁度、枝に雪がなっているように見える枯木が、五六本ずつ所々に散見する外、あたりには何物も見えなかった。どこもかしこも、すべて、まぶしく光っている白い雪ばかりだった。そして、何等の音も、何等の叫びも聞えなかった。ばりばり雪を踏み砕いて歩く兵士の靴音は、空に呑まれるように消えて行った。

彼等は、早朝から雪の曠野を歩いているのであった。彼等は、昼に、パンと乾麺麭をかじり、雪を食ってのどを湿した。

どちらへ行けばイイシに達しられるか!

右手向うの小高い丘の上から、銃を片手に提げ、片手に剣鞘を握って、斥候が馳せ下りて来た。彼は、銃が重くって、手が伸びているようだった。そして、雪の上にそれを引きずりながら、馳せていた。松木だった。

彼は、息を切らし、中隊長の傍まで来ると、引きずっていた銃を如何にも重そうに持ち上げて、「捧げ銃」をした。彼の手は凍って、思う通りに利かなかった。銃は、真直に、形正しく、鼻のさきへ持ち上げることが出来なかった。

中隊長は、不満げに、彼を睨んだ。