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Japanische Klassiker mit Furigana

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おんしつのこい

温室の恋

国枝 史郎

Lesen Sie 温室の恋 (おんしつのこい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.010 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

何んの壊れたって宜いでは無いか! 壊れ易そうな青年よ! 玩具のような青年よ!」

ところが、壊れ易い玩具のような、その美しい青年が、長火鉢を前に私の横に端然と坐わっているでは無いか。

「私を待たれたと有仰ると、何か御用でもあるのでしょうか?」

お寿賀さんの言葉を怪しみながら私は青年へ斯う訊いた。

すると青年は慇懃に――しかし些少もくどくは無く、私の方へ頭を下げたが、

「え」と如何にも初々しく小声で云って口籠った。どうやら頬をさえ染めている。

「先生は文士でいらっしゃいましょう」急に元気を揮い起こしたと見えて青年は俄に雄弁になった、「それで是非ともお伺いして、お願いしたいことがございますのですけれど、一面識も無い私のことですから譬えお宿へお訪ねしましても、迚もお目には掛かれまいと存じまして……」

「そんな莫迦なことがあるものですか」私は中途で制したのであった「何時だって構いませんから来っしゃい。大体どんなお話でしょうね?」

「それは……」と青年は吃驚りするほど態度や声を狼狽させたが「どうも此処では申し上げられませんので……」

「ああそうですか、では何時でも、私の所へいらっして下さい――ところで貴郎のお名前は?」