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Japanische Klassiker mit Furigana

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こなんのおうぎ

湖南の扇

芥川 竜之介

Lesen Sie 湖南の扇 (こなんのおうぎ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.079 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

「何しろ君、そいつは殺人人百十七件と言うんだからね。」

彼は時々話の合い間にこう言う註釈も加えたりした。僕も勿論僕自身に何の損害も受けない限り、決して土匪は嫌いではなかった。が、いずれも大差のない武勇談ばかり聞かせられるのには多少の退屈を感じ出した。

「そこであの女はどうしたんだね?」

譚はやっとにやにやしながら、内心僕の予想したのと余り変らない返事をした。

「あの女は黄の情婦だったんだよ。」

僕は彼の註文通り、驚嘆する訣には行かなかった。けれども浮かない顔をしたまま、葉巻を銜えているのも気の毒だった。

「ふん、土匪も洒落れたもんだね。」

「何、黄などは知れたものさ。何しろ前清の末年にいた強盗蔡などと言うやつは月収一万元を越していたんだからね。こいつは上海の租界の外に堂々たる洋館を構えていたもんだ。細君は勿論、妾までも、………」

「じゃあの女は芸者か何かかい?」

「うん、玉蘭と言う芸者でね、あれでも黄の生きていた時には中々幅を利かしていたもんだよ。………」

譚は何か思い出したように少時口を噤んだまま、薄笑いばかり浮かべていた。が、やがて巻煙草を投げると、真面目にこう言う相談をしかけた。