Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆなのたましい
湯女の魂
泉 鏡花
Lesen Sie 湯女の魂 (ゆなのたましい) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.936 Zeichen · 55 Bildschirme
二度三度、五度六度、やや有って息を吸取ったと見えましたが、お雪の体は死んだもののようになってはたと横様に仆れてしまいました。
喫驚仰天はこれのみならず、蝙蝠がすッと来て小宮山の懐へ、ふわりと入りましたので、再びあッと云って飛び上ると同時に、心付きましたのは、旧の柏屋の座敷に寝ていたのでありまする。
大息を吐いて、蒲団の上へ起上った、小宮山は、自分の体か、人のものか、よくは解らず、何となく後見らるるような気がするので、振返って見ますると、障子が一枚、その外に雨戸が一枚、明らさまに開いて月が射し、露なり、草なり、野も、山も、渺々として、鶏、犬の声も聞えませぬ。何よりもまず気遣わしい、お雪はと思う傍に、今息を吸取られて仆れたと同じ形になって、生死は知らず、姿ばかりはありました。
小宮山は冷たい汗が流れるばかり、南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏、と隣で操り進む百万遍の声。
「姐さん、姐さん、」
小声で呼んでみたが返事がないので、もしやともう耐らず、夜具の上から揺振りました。
「お雪さん。」
三声ばかり呼ぶと、細く目を開いて小宮山の顔を見るが否や、さもさも物に恐れた様子で、飛着くように、小宮山の帯に縋り、身を引緊めるようにして、坐った膝に突伏しまする。