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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆなのたましい

湯女の魂

泉 鏡花

Lesen Sie 湯女の魂 (ゆなのたましい) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.936 Zeichen · 55 Bildschirme

Aozora Bunko

たので、急がぬ旅ながら早速出立を致しました。

その柏屋を立ちまする時も、お雪はまだ昨夜のまま寝ていたのでありまする。失礼な起しましょうと口々に騒ぐを制して、朝餉も別間において認め、お前さん方が何も恐がる程の事はないのだから、大勢側に附いて看病をしておやんなさいと、暮々も申し残して後髪を引かれながら。

その日、糸魚川から汽船に乗って、直江津に着きました晩、小宮山は夷屋と云う本町の旅籠屋に泊りました、宵の口は何事も無かったのでありまするが、真夜中にふと同じ衾にお雪の寝ているのを、歴々と見ましたので、喫驚する途端に、寝姿が向むきになったその櫛巻が溢れて、畳の上へざらりという音。

枕に着かるるどころではありませぬ、ああ越中と越後と国は変っても、女の念は離れぬかとまさかに魂を託ったとまでは、信じなかったのでありまするけれども、つくづく溜息をしたのであります。

夜が明けると、一番の上り汽車、これが碓氷の隧道を越えます時、その幾つ目であったそうで。

小宮山は何心なく顔を出して、真暗な道の様子を透していると、山清水の滴る隧道の腹へ、汽車の室内の灯で、その顔が映ったのでありまする、と並んで女の顔が映りました。