Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆしまのけいだい
湯島の境内
泉 鏡花
Lesen Sie 湯島の境内 (ゆしまのけいだい) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.674 Zeichen · 18 Bildschirme
お蔦 それから?
早瀬 それから、……
お蔦 だって、あとは分ってるじゃありませんかね。ほほほほ。
早瀬 (ともに寂しく笑う)ははは、で、何を買って来たんだい、買いものは。
お蔦 (無邪気に莞爾々々しつつ)いいもの、……でも、お前さんには気に入らないもの、それでも、気に入らせないじゃおかないもの、嬉しいもの、憎いもの、ちょっと極りの悪いもの。
早瀬 何だよ、何だよ。
お蔦 ああ、悪かった。……坊やはお土産を待っていたんだよ。そんなら、何か買って上げりゃ可かった。……堪忍おしよ。いい児だねえ。
早瀬 可いから、何を買ったんだよ。
お蔦 見せましょうか、叱らない?
早瀬 …………
お蔦 叱ったって、もう買ったんだから構わない、(風呂敷より紙づつみを出す)髷形よ、円髷の。仲町に評判な内があるんですわ。
早瀬 髷形を、お蔦。(思わずそのつつみに手を掛く)俺の位牌でも買や可いのに。
お蔦 まあ、お位牌はちゃんと飾って、貴方のおふた親に、お気に入らないかも知れないけれど、私ゃ、私ばかりは嫁の気で、届かぬながら、朝晩おもりをしていますわ。
早瀬 樹から落ちた俺の身体だ。……優しい嫁の孝行で、はじめて戒名が出来たくらいだ。