Japanische Klassiker mit Furigana
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まんかんところどころ
満韓ところどころ
Lesen Sie 満韓ところどころ (まんかんところどころ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.601 Zeichen · 148 Bildschirme
壁の上を歩くと太い樹が眼の下に見える。桑があんなに大きくなってますと番頭が指した。なるほど一抱もある。この四角な壁の一側は長さどのくらいかねと尋ねると、へえ今勘定して見ましょうと云いながら、一歩二尺の割で、一二三四と歩いて行った。余は壁の外を見下して、そこらを絡んでいる赤い木の実を眺めていた。せっかく番頭の勘定した壁の長さは忘れてしまった。
五十一
撫順は石炭の出る所である。そこの坑長を松田さんと云って、橋本が満洲に来る時、船中で知己になったとかで、その折の勧誘通り明日行くと云う電報を打った。汽車に乗ると西洋人が二人いた。朝早いので、客車内で持参の弁当か何か食っていたが、撫順に着いたら我々といっしょに汽車を降りた。出迎えのものが挨拶しているところを聞いて見ると、そのうちの一人は奉天の英国領事であった。我々もこの英人等といっしょに炭坑の事務室に行って、二階で松田さんに逢った。松田さんは縞の縮の襯衣の上に薄い背広を着ていた。背の低い気軽な人なので、とうてい坑長とは思えなかった。我々と英国人を二所に置いて、双方へ向けて等分に話をした。橋本も余も英語はいっさい口にしなかった。